「拒食のいやし!!」


マーリン子供アメリカチームへの参加を通して 娘の拒食が癒された







 

 

  神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。〜ローマ人への手紙 8章28節〜
    


■始まりは、ダイエット

 
 
高校生3年生の娘は、身長168センチ、ぽっちゃり型でした。高校生になり、ますますぽっちゃりになっていました。
 ある時、娘が、「お母さん、私、頑張ってダイエットする。」と言い出しました。私も軽い気持で、「ちょっと痩せたほうがいいね」と。ここから、ダイエットが始まりました。
 最初は、朝食にバナナ1本、間食を減らしたりと普通のダイエットでした。あまり効果が見られないと、娘は、カロリー本を買い、カロリー計算を始めました。何をするにも徹底してやる娘は、すぐに入りこんでしまいました。カロリー計算をした食事をするようになり、効果が表れました。そのするうちに、だんだん娘の様子がおかしくなってきたので、私は、「もうダイエットはやめなさい!」ともっと痩せたい、もっと痩せたいと強い気持ちを持っていました。


■心にも身体にも異変が
 

 ある日の朝、お弁当を作っていたら娘が急に怒鳴りだしました。お弁当のご飯が多いというのです。おかずも、これはダメ、あれはダメとお弁当箱から出し始めました。 何を言っても聞かない娘と毎日食事のたびにケンカになっていました。
 すでに娘は食べ物を受付けなくなっていました。家族からも孤立し、学校にも行かなくなってしまいました。身体にも異変が表れました。月経は止まり、身体には湿疹が出て、髪の毛が抜け始め、ふらふらの状態になっていました。もちろん、私はこのことも神様に感謝し、祈り続けましたが、もう駄目だと言う気持ちになっていました。


■涙で囲んだ食卓

 

 そんな中、状況はますます悪くなっていきました。私は、毎日泣き続け、夫婦は互いに責め合い、小学校5年生の妹の精神状態も悪くなり、家族は壊れそうになっていました。
 ある日の夕食の時、食事をとらない娘に「カナン(妹)が心配しているから、食べなくてもテーブルに着くように」と言ってみました。娘は、しばらくして真っ青な顔をしながら食卓に入って来ました。みんなドキドキ、沈黙のまま食事が始まりました。もちろん娘は、食べません。
 ふと、妹のカナンの顔をみると、茶碗を持ったまま声をださずに涙だけが流れていました。私はカナンに「涙のお茶漬けになるよ」と言って笑わせてみました。笑うどころか、おばあちゃんも娘もカナンも私も声を出してみんなわんわん泣いてしまいました。
 そして、娘が急に「ゴメン」と言い出しました。ただ「ゴメン、ゴメン」と泣き続けていました。


■アメリカ(マーリンチーム)に行きたい


 
ある日教会で、アメリカマーリンチームの応募が始まりました。私と娘は教会の賛美チームに入っています。私達のチームは毎週土曜日に祈祷会をしています。その祈りの中に、チームのメンバー全員でアメリカチームに参加し、ハリウッドで賛美隊として立ち、路上ライブをすることができるように一年間祈ってきました。信仰で申込みをしたもののお金もなく、娘もこの状態では参加は無理だと思っていました。他のチームのメンバーはアメリカチームに参加が確実になり、私はチームのメンバーにも申し訳ない気持ちでいました。しかし、メンバーの方々はあきらめず信仰を持って、私と娘も必ず一緒に行けると告白し続けてくださいました。
 そんな中、娘の口から「アメリカに行きたい」と。しかし、お金もなく、娘もまだ食べる物を受け付けませんでしたので、絶対に無理な状況でした。私と娘は久しぶりに心を一つにし、2人で祈りました。


■「アメリカに行っておいで」


 しばらくしたある日、夕食を食べ始めたときおばあちゃんが娘を呼びました。おばあちゃんは娘に「アメリカ行って治るなら行っておいで。おばあちゃんがお金を出してあげるから。一人では、心配だからお母さんと行っておいで」
と言ってくれました。娘はニッコリ笑いました。しかし、妹のカナンがまた茶碗を持って泣きだしました。カナンも行きたいと言うのです。おばあちゃんが「ごめんごめん、カナンも一緒に行っておいで」と3人分出してくれました。



■機内食を完食!いとも簡単に食べられた



 
まだ、食事のとれないまま、不安もありましたが、神様に期待しアメリカに出発しました。成田空港に着き、売店に入りました。なんと絶対に食べないお菓子を一つ買ってカバンにしまっていました。私はそれを見て、信仰の歩みのように思えました。
 飛行機に乗り込み、しばらくして機内食が出されました。娘はしばらく眺めてから食べ始めました。私は声もかけず知らん顔をしていました。あまり美味しいとは思えない機内食をすべて完食していました。驚きました。あんなに食べることを嫌がっていたのに、いとも簡単に食べることができたのです。主をあがめました。神様は確かに私達をアメリカに導いておられることを確信しました。

 その後の機内でもアメリカの地でも、すべて食事がとれ、笑顔が戻って来ました。私達が祈ってきたハリウッドで賛美隊として立つこともでき、サンタモニカでも賛美隊として立つことができました。また、スティーブ兄達に、私達のチームの賛美を聴いていただくこともできました。

 今振り返るとすべて神の許しの中で、許されたことだと思いました。
 この問題があったから、私たちはアメリカに行くことができ、賛美隊として立つことができ、この問題があったから娘は癒しを体験し、なんといっても神の深い愛を知ることができ、神に従うすばらしさを知ることができました。
 今は、以前より食べるようになり、身体も徐々に回復し、学校にも元気に行っています。



 
「すべてのことはあなたがたのためであり、それは、恵みがますます多くの人に及んで感謝が満ちあふれ、
 神の栄光が現れるようになるためです。」 コリントの手紙 第二 4章 15節
 

             
                                                            永戸佳子


(雲の間にある虹 8月号掲載)


                                                        


                                      

 

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